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学校連携プロジェクト'19


スタッフ

  • MiyashitaMiho
  • 荒田 詩乃

2020-03-04

22:36

コロナウイルスの影響で、小学校でのワークショップが中止になりました。
スライムを使って、算数の授業を、というプログラムを1年間かけて考えてきました。

そこで、私たちが何をどのように考えたのかをきちんと整理して次に繋がるアイデアを見出そうと考えています。
まず、1年間やりとりをしたメール全てを出力し、人名、本、出来事、参照事例、メタファー などなどを、このプロセスに参加していなかったスタッフがマインドマップを作成しています。

様々な結節点、クロスするだけでなく、3次元、4次元に、アイデアがクロスしたり一つのアイデアが次のアイデアを生む、ある事例から、全く違うアイデアへの飛翔が起こる、そんなことを再現すべく整理を試みています。

結節する地点、たとえば、『コケの自然史』という本、コケの持つ機能と形態、コケはフラクタルなのか?とか。あるいは、微細なものを拡大してみたらどんなふうに見えるのか、と、森の中のコケの働き、とかね。どんどんイメージは広がる。そんな対話は刺激的。

マインドマップは重層的なルートを多次元に辿って、たくさんの不定形の変化するその時々の多解釈可能な「解」を見せてくれる。授業ができたらよかったなあ。

  • MiyashitaMiho
  • ひらめき

2019-12-12

17:19

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今年のこどもたちとの学校連携プロジェクトでは、造形そのものを楽しむ、というより、
造形を通して、経験や思索を深めたり、普段とは異なる視点で物事を見てみたり、自分なりの世界の捉え方を見つけたり、そんなことを考えています。

本町小では、図工のコンピューターを使わないプログラミング
前原小では、算数の時間にスライムを使って、その素材と向き合った発見を構造化してみる、ということをこころみます。

ふと思い立って本日事務所でも実験。イスのへりにスライムを置くと、自重でゆっくり垂れてのびてゆきます。
じっと見ているだけでも色んな発見があります。最初はゆっくり伸びて行って、伸びて行けばいくほど早くはやくのびてゆく。
のびたスライムは切れることはなく、空気に触れて固まっていく?このまま置いといたらどうなるかな。
まるでガラス細工のように、ダリの伸びた時計のように。

自分の身の回りの世界と全身で向き合い、そこから何かを見出して、そしてまた作っていく。
それはあたらしいことでも難しいことでもなんでもなく、自然と向き合い、何かを作り暮らしてきた人が生きるという営みなのだと思います。

さあて子どもたちと一緒にどんな発見に出会えるのか、今年も楽しみにしています。

  • 荒田 詩乃
  • つぶやき

2019-12-10

19:18

本年度は、小金井市の二つの小学校の他、東村山市の小学校で、楽器作り+音作り、多磨全生園訪問の経験を造形を通じて深める、という授業を行いました。図工科の河野先生と学校の先生方の展示は、とても力強いものでした。私たちは、二つの授業を振り返り、図工のもつ可能性をもう少し整理しておこうと考え、振り返りのトークを行いました。

ゲストに、ランドスケープデザイナーの廣瀬俊介さんをお迎えし、南台小学校の展示最中の(寒い(笑))体育館で、お話をいただきました。
その成果は、追ってニュースレターとしてお手元にお届けします。

以下、廣瀬さんが、ご自身のブログにアップされたスライドをご紹介します。
世界と身体全体と使って出会うこと、発見すること、親しみをもった理解の関係を築くこと、その一つ一つは遠回りのように見えますが、本質的でとても豊かなものです。

急ぐ必要はないのでしょう。

ニュースレターは、来年1月に刊行予定。どうぞお楽しみになさってください。

  • MiyashitaMiho
  • プロジェクト本番

2019-10-20

14:22

南台小学校で行っていた『発明楽器をつくろう』が終了しました。
全4回。

映像は実験中の様子。
音ってなんだろうね。

詳細は追って。
でも、最後の日に伝えたかったのは、あなたの音はあなた自身、あなたの作った楽器はあなた自身、あなたの音や楽器を大切にしようってこと。それから、たくさん、打楽器が生まれたけれど、打楽器に隠れて、ささやかで美しい音を奏でる小さな音も生まれた。その音そのものを大切にしたい。こっちがいいからおいでよ、って言わない。ひたすら待つことの豊かな時間。

  • MiyashitaMiho
  • プロジェクト本番

14:12

図工から身のまわりの世界へ
−東村山市立南台小学校 展覧会によせて

 南台小学校では、2019年度に展覧会として、1年生から6年生の図工や家庭科の作品の展示を行ないます。図工では、学校内だけでなく、美術館や地域の博物館、資料館、市民団体などと連携し、多様な活動を展開した成果を展示し、保護者の方やお友達、他学年の児童と鑑賞します。

 私たちは春に行った多磨全生園の見学を造形を通して深める活動を振り返りる会をおこないます。ここでは、この活動を「評価」するのではなく、これらの活動を踏まえ、改めて今日の社会での図工の持つ可能性を探り、育てていくための方途を皆で考えてみたいと思います。

 子供達が造形する過程では、対象について知ろうと能動的になること、一人一人が物事をそれぞれに深く考えたり、植物や水、土、石、布、木材に始まるあらゆる素材の重さや質感、匂いにまで鋭敏に感じ取ることになります。この多様な素材はそれぞれの表情を持ち、子供一人一人がそれぞれ目的や素材に合った加工の方法も深く工夫することになります。このことは、身の回りの世界との関係を自分自身の目や身体で新たに作りなおすこと、あるいは身体全体をセンサーとして開き、自分を取り巻く世界や他者を感じることにつながっていきます。

 今回の振り返りの会では、このような図工の可能性を再確認しつつ、造形を通して新しい眼差しで身の回りの世界をとらえること、世界や自分自身とつながること、あるいは自分をとりまく世界との出会いにふと立ち止まりその出会いの意味を考えること、ひいてはとりまく世界のありよう自体を問い、世界に対する働きかけをも育む図工の今日的な可能性と必要性について、風土を主題に設計活動を行うランドスケープデザイナーをゲストに招きともに考えます。

日時:2019年11月30日(土)17:00-18:30(予定)
場所:東村山市立南台小学校 体育館 (住所 東京都東村山市富士見町1-16-12)
ゲスト:廣瀬俊介さん(ランドスケープデザイナー)+授業に参加した市民のみなさん
参加費・申し込み:お問い合わせください

ゲスト
廣瀬俊介(ひろせしゅんすけ)さん
環境デザイナー (International ASLA)、専門地域調査士 (日本地理学会)、風土形成事務所主宰、東京大学空間情報科学研究センター協力研究員。2014年3月まで東北芸術工科大学大学院 デザイン工学専攻環境デザイン領域 准教授。日本地理学会会員、東北地理学会会員、日本景観生態学会会員。東日本復旧復興計画支援チームメンバー。主著『風景資本論』。

  • MiyashitaMiho
  • プロジェクト本番

2019-09-04

17:15

そういうわけで、11月30日に、廣瀬俊介さんをお招きして振り返りとこれからを考える会をするわけですが、本日、お尋ねして、こちらの依頼についてお話ししてきました。

繰り返しになりますが、授業を評価してほしいわけではない。授業の取り組みを踏まえつつ、これからの道を一緒に考えてほしいということ。
それはつまり、自然や環境との出会い、対話、見えないものへの想像力をもつこと‥。身体のセンサーを信じて。

同業他社(笑)。ってか、先輩。お若いけれどね。

廣瀬さんの活動はこちらからも。

http://shunsukehirose.blogspot.com/

本棚には見知っている本がたくさん。
中でも、ああ、なるほどね、って思ったのは、『ゲニウス・ロキ』(シュルツ)、学生の時には絶版で、図書館でコピーして読んだっけ。
土地の霊性みたいなこと。学生の頃にはそうだよね、きっとって思った。40年近く前。
でも、今、異なる宗教的な背景を持つ私たちは、簡単にそうだよね、って言えない。
一間離れたところに、宮本常一『自然と日本人』。こちらを、まずは、熟読、かなあ。などと。

話は経験のこと、経験の質のこと、質(良し悪しではなくてね)をどう豊かにしていくのか、そもそも豊かさとは何か、ちゃんと立ち止まることなどなどを、子供たちとともに、どのように作っていくのかな、と。

これもまた継続。

  • MiyashitaMiho
  • プロジェクト準備

2019-09-03

20:19

本年度、東村山市南台小学校との連携授業で、多磨全生園訪問の体験を造形を通して掘り下げてみる活動を行いました。
同校で行われる図工展では、全学年の図工での活動を紹介し、その中でも6年生のこの活動の成果を展示します。

この、図工展に合わせ、ランドスケープデザイナーの廣瀬俊介さんをゲストにお招きし、授業に参加した方々、都内の図工の先生方と振り返りを行います。
これまでは、教育関係者や大学の先生をお招きしての振り返りの会が多かったですが、今回はランドスケープデザイナーの方を。

前年度の全生園の活動は人権の森を主題にしました。今年も、隠れたテーマに森。
なぜ森なんだろう、人がなぜ森を大切に思うのだろう、そこに何を見ているのだろう、と考えると、風土をテーマにしている廣瀬さんと、今回の活動の「評価」について語り合うのではなく、これから育つ子供達にとって、風土というものがどのようなものなのかな、地域と繋げるということ、子供達を地域に返す、といつもおっしゃってる先生とじっくり話せるといいかなと思います。

11月30日、夕方。
よろしかったらお出かけくださいね。

  • MiyashitaMiho
  • プロジェクト本番

2019-09-01

14:55

今年の学校プロジェクトで、算数の授業でプログラムを行う事になりそうです。数学者の岡潔さんの本を読んでいます。

無生法忍という、仏教において大自然の理を悟ることを理解しないと、本当の意味で数学を理解することはできないのだと岡さんはいいます。また、自然の中に心があるのではなく、心の中に自然があるとも言っている。
数学とは、この世界のありように関心を持ち続けること、その営みを通して、心の中にある自然に思いを馳せること。それは、情緒を大切にして生き続けることと深く関わっていると思うのです。

数学が苦手な私は、春から算数の授業で造形的活動のプログラムにずいぶんと悩んでいるのですが、ふれればふれるほど、そのひろさやゆたかさにとてもおどろきます。こどもたちにとって、算数の概念や学ぶことの概念がひろがるプログラムにしたいですね。そろそろ本格的に考えてゆかなければ、です。

  • 荒田 詩乃

2019-08-27

06:43

生まれ変わったら図工の先生になろう(笑)。
特に、少年院とか刑務所みたいなところの、と、まじで考えていたことがあります。
自分の子供が横路くんだったりね。

人が山や森から離れてしまって、人工物の中で暮らすようになっても、ものをつくるという、半ば本能みたいなものは真剣に大切にした方がいいって、いろんな意味で感じます。

これらは、先の東村山の小学校の図工時間の実験のために先生が集めてくれたもの。このほか大量の竹、木々。

4年生が対象でも、大人参加者のMさん。

「私はいわゆる、多くの人が共通してイメージできる楽器というもの以外の何かの物が作れないかと考えています。
身体を動かすことによって演奏する何かとか。
ある部屋自体が楽器で満たされていて、通過すると音がするとか。
まだ、具体的なアイデアは、何もないけれども。
つまり、楽器にオリジナリティも加えられないかなと考えています。
だけど、作るの大変になりそうだから、やはり、無理かな…。」

「はい。ありえない事を目指しましょう。
とりあえず、大風呂敷を広げて、ハードルを出来るだけ、高く設定するタイプなので。
どう、着地で知るかはわからないけど…」

うんうん、どんな時間になるか楽しみだよね。
ギコギコトントン、トントンギコギコ。
音楽はいいね。

  • MiyashitaMiho
  • プロジェクト準備

2019-08-26

07:13

何年か前に、自然素材で楽器を作るプロジェクトを小学校で行いました。
そのプロジェクトを、改めて、東村山市の小学校で。

いつも、実験。
関わる人たちが素材に触れ、やってみて、子供たちと対面します。
実験初日。
音は振動、だけれど、振動だけではない。何か。
お昼休みに。

左手に持っているのはひょうたん。ひょうたん音を大きくしているんだね。

  • MiyashitaMiho
  • プロジェクト準備

2019-08-09

08:56

なかばヤケクソ(失礼)とも言える、かもしれませんが、考えてみたいと思います。

今年も東村山市の小学校で、ハンセン病資料館を訪問した経験を元にした(あるいは経験を深めるため)に、図工の授業を学校と一緒に行いました。

終了して考えているのは、「経験」とは何か?ということです。ハンセン病資料館にいく、色々な物事を見聞きする、それを持ち帰り、振り返りつつ、出来事を「再現」ではなく、もう一度落ち着いて考えてみる時間をもつために、造形という技?手続き?を用いる。だけかな? 造形、という技は、そんなに道具として扱いやすいかな?万全かな? うーむ。

何かを作ってみよう、伝えてみようと前のめりに、能動的になることで、気がつかなかった細部やあるいはもっと大きな意味を考えさせられることはよくある。そう、それも考えていたことの一つだけれど、それが子供達にとってどういうことだったのか?あるいはどういう可能性があるのか?

もう一つは経験の「質」のようなこと。
私たちが高度な?硬質な?「質」を子供達に提供できると思っているわけではもちろんない。質に良い悪いを言いたいわけでもない。ただ、それは一人ひとりにとってとても違うものであるということ。形となって外に出てきたその様も大切ではある。でも、事や物に出会いながら、自問自答するその過程の曲折、自問自答の深まりが、頭の中だけではなく、手や身体、五感を通して得られることが大切なのかな、と。喧騒の中でも、一人ひとりがそんな瞬間を持つこと。

だから、大人は傍にただ居るだけ、を目指す。時によっては居ることが阻害することだってある。そんな時は息を殺して遠くにいる。
ささやかなことなのだけれどね。

授業の中で。素材があれば、どんどんと、変なことが始まる。

  • MiyashitaMiho
  • プロジェクト準備

2019-07-23

09:34

これもプロジェクト本番の一つ。
学内に1月ほど展示した作品をまずは収納します。
先生、奮闘で、準備室に大きな作品を全部しまえるようにしてくださいました。
11月に、改めて学内で展示します。

9月、10月には楽器のプログラムも控えています。

音楽ってなんだろう?
これもまた大きな課題。端からどんどん読んでみて、やってみる。大人も。

グレングールドとの対話

を、眺めたりしながら、手にはこれ‥。
グールド、おもしろい‥。

まっつんと清水さんはジャガイモかと思ったてさ。

  • MiyashitaMiho
  • プロジェクト本番

09:28

今年も東村山市の南台小学校で、全生園訪問の体験を造形で深める授業をしました。
授業終了後、1月近く学内に展示をしました。
この日は東京学芸大学の原子先生と学生さんが見学に来てくださいました。
環境教育の過程の中で全生園を訪問されているとのことでした。そんなつながりから。
たくさんの方と様々な出来事を語れると良いですね。

  • MiyashitaMiho
  • プロジェクト本番

2019-07-20

14:27

ある日の本

数学が好きでもできるわけでもない。けれど、趣味はきのこの採取、の天才数学者にはとても興味がある。彼は昔は人懐こいよく笑う子供だったそうだ。

グレゴール・ペルイマン

人がどのようにして行く道を定め世界を深めていくのか、たくさんの出会いの中で琴線に触れる、あるいは琴線どころか、世界そのものに触れてしまうこともあるかもしれない。それぞれの人の歩く道、その背中を思う。

というわけで、著名な数学者がどのような契機でこの道に進んだのか、インタビューと写真によって構成されている本。石井さんに頼んで買ってもらった。

英語版は無料。

成功した学者だから、肯定的なのかもしれないね。でもそれだけではなくて、問うに値する命題と感じられるものに出会えた肯定感なのかもしれない、それぞれの表情。

このページのキャサリーン・A・オキキオルは、絵画か数学か?そのつぎのページのガワーズは音楽か数学か?を迷った挙句に数学を選んだそう。
天が二物を与えるかどうかと言った問題ではなくて、なんとなく、その二物にあるのは「探求」、ではないかと思う。

以前、トークの場で会場から質問されたっけ。あなたにとってアートってなんですか?って。しばらく考えて、きっと「探求」、追い求めることそのもの、のような気がする、って答えた気がする。多分。人助けでも自己表現でもない。道そのもの。

小学校の算数の授業に参加します。
造形は手先の問題ではなくて、思考や直観、哲学の問題だったりもする、だろう‥。
どんな風に算数少年少女に出会えるといいかな、冬の授業にむけて考え中。

  • MiyashitaMiho
  • つぶやき

2019-07-11

07:40

ある日の本棚。
本年度、小学校のPJでは、プログラミング教育にどんな風にアプローチするか、算数+図工はあり得ないかと模索中。
スカイプでのミーティング中に、本棚を見回しつつ、この、性差別的タイトル『おくさま便利帳』が、なかなか面白い。
暮らしの手帖のようなんだけれど、湿気の多い時期に靴箱をどうするか、とかそんなことね。
その隣の『数学的経験』も、全く何が何だかわからない、その加減がおもしろい。もしかしたら名著かもしれないけれどね。
生きていくことと学ぶことがどうそれぞれを豊かにしていくことができるのか? いやいや、そもそも、それぞれ、なんて風に分かれていないのかもしれないね。そのことに気づくことも大事だね。人間的経験。

  • MiyashitaMiho