2018-09-06

連続トーク「市民講座 対話をひらく①」

小金井アートフル・アクション!では、10月から「市民講座 対話をひらく」として連続トークを実施します。各回にゲストを招き、いくつかの主題をめぐるプレゼンテーションと参加者と対話の時間を設けます。結論や解決を求めることを目標とせず、断片的な小さなピースを拠り所に、参加者それぞれが社会や自分の像をおぼろげながらであっても再確認し、また、新しい一歩を踏み出していくための場となるでしょう。

第1回「メイをめぐるタビ」
大木裕之が国内外で作品化する映像は、星座のように、パッチワークのように断片でありながら、世界の一瞬を確実に切り出し、その集積は紛れもなく今日の私たちの生を問い世界を問うものです。このたび大木裕之とともに作品「メイ」を見、作品の成り立ちや構造の意味するところについて余すところなく汲み尽くす対話の場を設けます。

画像:“archi + anarchy II II II”展 「メイ」展示風景

日時:2018年 10月7日(日)14:00-16:00
場所:小金井アートスポットシャトー2F
小金井市本町6-5-3 シャトー小金井2F 
定員:30名 参加費:無料
※事前申込不要。当日会場にお越しください。
※本プログラムは変更になる場合があります。あらかじめご了承ください。

《ゲストプロフィール》
大木裕之: 1964年東京都生まれ、東京都、高知県在住
東京大学工学部建築学科在学中の80年代後半より映像制作を始めた。1991年からは高知県に制作活動の拠点を置くようになり、「ターチトリップ」(1992-93) など、初期の代表作群を立て続けに制作、1995年には「天国の六つの箱 HEAVEN-6-BOX」(1994-95) で、第45回ベルリン国際映画祭ネットパック賞を受賞。また、大木の表現活動は、映像制作のみに留まらず、ライブ上映、インスタレーション、身体パフォーマンス、ドローイングやペインティング作品にまで及んでいる。1999年の「時代の体温」(世田谷美術館)を皮切りに、「How Latitudes Become Forms」(2003年・ウォーカーアートセンター、米国)、「六本木クロッシング」(2004年・森美術館)、シャールジャ・ビエンナーレ(2007年)、「Out of the Ordinary」(2007年・ロサンゼルス現代美術館 MOCA、米国)、「マイクロポップの時代:夏への扉」(2007年・水戸芸術館)、「[被曝70周年: ヒロシマを見つめる三部作 第1部] ライフ=ワーク」(2015年・広島市現代美術館、広島)、「虹のキャラバンサライ – あいちトリエンナーレ 2016」(2016年・長者町会場、愛知)など、国内外の展覧会にも多数参加している。

《市民講座 対話をひらく とは》
メディアが伝える政治のニュースに触れる時、政治は私たちの暮らしを支える基本であるにもかかわらず、物事の決め方、決まり方のぞんざいさに驚嘆しつつもあっという間になれ親しみ、また、ネット上を飛び交う情報の数々にも、量、質を問うことなどなく、伝えられた多様さの断片を、それぞれの理解によって都合よくすくいとって何かを理解したことになっているように感じます。私は私たちが複雑で高速で変化する、とても感情的な社会を生きているように思えます。

出来事のそれぞれの相互関係や因果関係も、関係の複雑さと変化の速度の速さとともに上滑りし、出来事自体が短時間で忘れ去られていきます。苛烈な出来事や心を震わせる出来事や事件、事故が日々起こっているにも関わらず、一つ一つが絵空事のように軽薄に扱われ、明快な像を結ばない社会のありようは、まるで中空に浮いた真空地帯ともいえるかもしれません。社会全体がリアリティーを薄め、また、そこに生きる私たち一人一人の存在のリアリティーも同じように薄められていき、あたかもアミューズメントあるいはゲームの世界のような空々しさの上に漂うようです。

私たちの時代の優れたアーティストは、自覚的か無自覚かに関わらず、否応無しにこの社会の特性を端的につかみ取り、さまざまな方法で描き出していきます。アートはとても感情的な行為でもありますが、優れた表現の営みの中にはそれぞれのアーティストの真摯な探求が押し流されずに存在します。私たちはこの作品群を「今」を照らするものとしてとらえ、読み解き、既成の価値にとらわれない生のリアリティーを獲得する対話の試みを多くの人と始めてみたいと思います。

このような対話の場を市民とともに重ねていくことは、日本社会の中で萎縮し縮小しがちな表現の可能性を拡張することにつながります。特に自己確認や承認欲求の対象としての表現ではなく、この対話の存在が表現のありようをもっと多様に、豊かに拡張していくことにつながるとしたら、それは翻って、私たちがこれからの社会を生きていくためのさまざまな可能性も同時に拡張するものとなっていくでしょう。
企画:宮下美穂(NPO法人アートフル・アクション 事務局長)

《本事業に関するお問い合わせ》

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TEL・FAX :050-3627-9531 E-mail: mail@artfullaction.net HP: https://artfullaction.net/

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■小金井アートフル・アクション!(小金井市芸術文化振興計画推進事業)とは「誰もが芸術文化を楽しめるまち~芸術文化の振興で人とまちを豊かに」という理念の実現を目指し、2009 年 4 月から市内各所で事業が進められています。2011年度から、東京都、小金井市、アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、NPO法人アートフル・アクションの 4 者共催により「東京アートポイント計画」の一環として実施されています。