図工から身のまわりの世界へ
−東村山市立南台小学校 展覧会によせて
南台小学校では、2019年度に展覧会として、1年生から6年生の図工や家庭科の作品の展示を行ないます。図工では、学校内だけでなく、美術館や地域の博物館、資料館、市民団体などと連携し、多様な活動を展開した成果を展示し、保護者の方やお友達、他学年の児童と鑑賞します。
私たちは春に行った多磨全生園の見学を造形を通して深める活動を振り返りる会をおこないます。ここでは、この活動を「評価」するのではなく、これらの活動を踏まえ、改めて今日の社会での図工の持つ可能性を探り、育てていくための方途を皆で考えてみたいと思います。
子供達が造形する過程では、対象について知ろうと能動的になること、一人一人が物事をそれぞれに深く考えたり、植物や水、土、石、布、木材に始まるあらゆる素材の重さや質感、匂いにまで鋭敏に感じ取ることになります。この多様な素材はそれぞれの表情を持ち、子供一人一人がそれぞれ目的や素材に合った加工の方法も深く工夫することになります。このことは、身の回りの世界との関係を自分自身の目や身体で新たに作りなおすこと、あるいは身体全体をセンサーとして開き、自分を取り巻く世界や他者を感じることにつながっていきます。
今回の振り返りの会では、このような図工の可能性を再確認しつつ、造形を通して新しい眼差しで身の回りの世界をとらえること、世界や自分自身とつながること、あるいは自分をとりまく世界との出会いにふと立ち止まりその出会いの意味を考えること、ひいてはとりまく世界のありよう自体を問い、世界に対する働きかけをも育む図工の今日的な可能性と必要性について、風土を主題に設計活動を行うランドスケープデザイナーをゲストに招きともに考えます。
日時:2019年11月30日(土)17:00-18:30(予定)
場所:東村山市立南台小学校 体育館 (住所 東京都東村山市富士見町1-16-12)
ゲスト:廣瀬俊介さん(ランドスケープデザイナー)+授業に参加した市民のみなさん
参加費・申し込み:お問い合わせください
ゲスト
廣瀬俊介(ひろせしゅんすけ)さん
環境デザイナー (International ASLA)、専門地域調査士 (日本地理学会)、風土形成事務所主宰、東京大学空間情報科学研究センター協力研究員。2014年3月まで東北芸術工科大学大学院 デザイン工学専攻環境デザイン領域 准教授。日本地理学会会員、東北地理学会会員、日本景観生態学会会員。東日本復旧復興計画支援チームメンバー。主著『風景資本論』。