2017-11-10

小金井市立第四小学校の本年度の活動が終わ… | 2017-11-10 15:31:38

小金井市立第四小学校の本年度の活動が終わりました。
今年は、アーサー・ファンさんをゲストにお招きして、匂いや音の経験をもとに、制作をしました。
第一回は、外に出て、匂いや音を「体験」します。室内にもどってから、匂いや音を絵として描きました。匂いや音の経験を描く、のではなく、匂いや音を描きました。

第2回は、一緒に外に出たお友達と、前回の体験の時に録音した音声をきっかけに、やはり匂いや音を図像化することを試みます。
大きな画面に、前回の体験を描写する、のではなく、前回の匂いや音、を、描いてみる。匂いや音を描く、という体験には、みたものを描く、という、これまでの子どもたちの多くの図工体験と異なる要素が入り込みます。匂いを感じます、それから、美味しいものを思い出したり、大昔に登った山の風景を思い出したりします。でも、、、今回は、匂いから「想起されること」を描く、ということでもなく、匂いを絵で描きます。

第3回目は最終回。ここでは、初日に描いた個人の音や匂いの絵を、手で割いて、さらに自分の経験の匂いや音を表現する形態にし、それをモビールのように吊り下げます。初日、皆が外に出た日には、風が強くて、本当に色々なものが風に舞っていました。モビールという作品の形はそのことも表現するものです。
また、2日目の大きな作品も、天井から釣ることで、一つの絵画作品であることと、やはり、あの日の、風や日差し、匂いを感じさせるものとなっています。

この授業でもさまざまな発見がありました。見えるものや思い出を描く、という言ってみればリニアに広がる経験ではなく、あるものを別の方法、日頃あまりとらない方法で表現するという、ねじれ?あるいは、飛躍があります。最初は???でしたが、アーティストやサポートの大人たちの丁寧な説明や、対話と問いかけ、で、子供達は新しい思考方法と表現方法を体験したと思います。

また、このことをやってみようと思ったら、どんな材料、画材、環境がもっともよいのかも、考えさせられました。机の上で大画面を描いた子供達と、床の上に自由な角度で描いた子供達の作品はとても違うものになりました。また、匂いや音と、一般的に記述できないものを描くのにはどんな画材がいいのか?どんな大きさの髪がいいのか?、どんな材料で描くことがいいのか?などなど。

学校で行われる展覧会が楽しみです。