ある日の本
数学が好きでもできるわけでもない。けれど、趣味はきのこの採取、の天才数学者にはとても興味がある。彼は昔は人懐こいよく笑う子供だったそうだ。
人がどのようにして行く道を定め世界を深めていくのか、たくさんの出会いの中で琴線に触れる、あるいは琴線どころか、世界そのものに触れてしまうこともあるかもしれない。それぞれの人の歩く道、その背中を思う。
というわけで、著名な数学者がどのような契機でこの道に進んだのか、インタビューと写真によって構成されている本。石井さんに頼んで買ってもらった。
成功した学者だから、肯定的なのかもしれないね。でもそれだけではなくて、問うに値する命題と感じられるものに出会えた肯定感なのかもしれない、それぞれの表情。
このページのキャサリーン・A・オキキオルは、絵画か数学か?そのつぎのページのガワーズは音楽か数学か?を迷った挙句に数学を選んだそう。
天が二物を与えるかどうかと言った問題ではなくて、なんとなく、その二物にあるのは「探求」、ではないかと思う。
以前、トークの場で会場から質問されたっけ。あなたにとってアートってなんですか?って。しばらく考えて、きっと「探求」、追い求めることそのもの、のような気がする、って答えた気がする。多分。人助けでも自己表現でもない。道そのもの。
小学校の算数の授業に参加します。
造形は手先の問題ではなくて、思考や直観、哲学の問題だったりもする、だろう‥。
どんな風に算数少年少女に出会えるといいかな、冬の授業にむけて考え中。