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「不同意性交」が問われる今、被害当事者による“性とケア”に向き合う作品展。現代美術家・浦丸真太郎 個展『受粉』開催。
-性虐待の記憶と、障害者の性に向き合う12日間-
現代美術家・浦丸真太郎(東京都在住)は、2025年4月30日(水)から5月11日(日)までの期間、KOGANEI ART SPOT シャトー2F(所在地:東京都小金井市)にて、個展『受粉』を開催いたします。本展では、作家自身が幼少期に受けた性虐待の経験と、障害のある方々とのセックスボランティア活動を通じて得た気づきをもとに、「性」「ケア」「関係性」を主題とした平面作品や映像作品などを展示いたします。
“同意”“触れること”“癒し合うこと”をめぐる社会的議論が高まる中、個人の体験から生まれた美術表現が普遍的な問いを投げかけます。
近年、日本では「不同意性交」の刑事罰化や、芸能界・福祉業界における性加害・性接待の問題が相次いで報じられ、“性と同意”、“ケアと権力”に関する議論が社会全体に広がっています。
本展は、こうした社会的な議論が活発化する今、「障害のある方の性」や「性虐待の記憶」といった、可視化されにくいテーマに作品制作を通して向き合う試みです。
誰もが当事者になり得る“ケア”という営みに対し、新たな視点と対話を生み出すことを目的としています。
浦丸真太郎は、1993年生まれ。幼少期に親族から性虐待を受けた経験をもとに、「触れること」や「愛すること」への恐れと向き合いながら制作を続ける美術家です。
近年では、“セックスボランティア”と呼ばれる、障害のある方の性の支援活動に携わり、当事者と深く関わる中で、他者との関係性における「相互ケア」の可能性に着目してきました。
本展では、支援を通じて出会った方々との関わりから生まれた作品群を通じて、“どうすれば人は、傷つけずに触れ合えるのが”という普遍的な問いを提示します。
本展タイトル『受粉』は、花が新たな命を宿すように、人と人が出会い、変わり、癒し合うことのメタファーです。中心作品は、浦丸と性に関する支援を通して出会った方の身体写真を転写・刺繍で縫い合わせた平面作品で、花の断面図に仕立てられています。これは、性的接触がただの行為でなく、“関係性の再生行為”=ケアであるという考えを視覚化したものです。
浦丸真太郎(うらまる・しんたろう)
1993年 佐賀県生まれ。大分県立芸術文化短期大学専攻科造形専攻卒。
身体と記憶、刺繍と行為、人と人との関係性に潜む「ケア」の形を探る現代美術家。
主な個展:
「星痕」PARA神保町(2024)
「メロン」HIGURE 17-15 cas (2023)
「縫合」美学校スタジオ(2022)
主なグループ展:
「他者の眼を気にして漂流する」ターナーギャラリー(2022)
「ホーム・ランド」ゲンロン五反田アトリエ(2019)