ふと何かが彫刻に見えるときがある。シワシワになった紙や床に落ちた衣服が、人間のようにのびのびしていたり、うなだれているように感じてじっと見つめてしまう。一方で、広い展示空間にいる人間のかたちをした彫刻を見ると、その硬いポーズが少し生きづらそうに感じるのである。
硬いポーズをとっている彫刻は、私たちの暮らしとは距離を置いた場所にいることも多い。しかし、私たちは実物よりも先に紙や電子媒体の彫刻と出会い、その彫刻を「知っている」と言い、親しむことができる。
彫刻を所在地から出し、私たちの暮らしに触れさせたい。そうすると硬いポーズの彼らでも、少し生きやすくなるかもしれない。
【プロフィール】
保泉エリ Hozumi Eri
広島県出身
2018年 静岡大学教育学部 卒業
2019年 Accademia di Belle Arti di Firenze 交換留学
2021年 筑波大学大学院程人間総合科学研究科博士前期課芸術専攻 修了
現在、筑波大学大学院人間総合科学学術院芸術学学位プログラム博士後期課程 在籍
[個展]
2019 「focus」(sensenci/静岡県)
2019 「focus」(Room_412/東京都)
2020 「像について」(新宿眼科画廊/東京都)
[グループ展]
2018 「静岡大学卒業・修了制作美術展2018」(グランシップ/静岡県)
2018 「真壁、まかべ、Makabe」(茨城県桜川市)
2019 「SICF20」(スパイラル/東京都)
2019 「Room_412-Group Show-」(Room_412/東京都)
2021 「奔走する群れ」(府中市美術館1階市民ギャラリー/東京都