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私は 今日も眼を求めてゐた

2017年10月18日(水)〜 2017年10月29日(日)

池上怜子 , 葉思尭

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寒き露が冷えるころ、霜の降りるまで
きっと菊は花開き、草木は黄色く落ちゆくか
遠く雁が飛び、鳴く蟋蟀を見つけるか

見積もりはいつもうつつで、ずれは止まることなく常にうつろうばかりだ。それでもあの点から伸ばした影を、襞の上で計っていよう。

(池上怜子)

 

時間が流れたことは一度としてなく、どの場所においても蘇ったことも一度もない。
鳥の足跡に、白い波打ち際が到達したことはない。何度テープを再生しても。
余韻を引き連れて旋回する鴉も戻ってこない。
重力に逆らい、勝利したと言えるような戦果を得ないまま、脚やら羽やらを伸ばしながら次の話をするんだ。
不条理な文書だ と、何処まで行くんだと、肩が凝ってきたよと
誰かは今日も今日も、眼を求めていた。

(葉 思尭)

 

 

池上 怜子/いけがみ りょうこ

1992年 三重県出身

2017年 武蔵野美術大学大学院修士課程造形研究科美術専攻油絵コース 在学中

 

2016年 『トーキョーワンダーウォール2016 入選作品展』(トーキョーワンダーサイト渋谷)

2017年 『シェル美術賞展2016』(国立新美術館)

2017年 『トーキョーワンダーシード2017』 (トーキョーワンダーサイト渋谷)

http://ikegamiry.tumblr.com/

 

 

葉 思尭/よう しぎょう

1993年 中国福建省出身

2017年 武蔵野美術大学大学院修士課程造形研究科美術専攻油絵コース在学中