ギャラリー情報

耕ス島々

2025年9月10日(水)〜 2025年9月14日(日)

ムラカミナナミ , 中濱果穂

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風が吹いて、潮が満ち干き、雨が降って流れて島の形は少しずつ変わり緩やかに動き続けている。それは私達の作品と美術のあり方に似ていると思う。

風が吹いて紙が揺れて差した光が絵の輪郭をぼやかし、抽象的な図像はイメージを展開させ巡っていく。絵や作ったものたちは幅を持って揺れ動き、柔らかくあり続けている。

 

美術の中に、さまざまな枠組みがあると感じている。美術史や制度の中の歴史的な枠、木材に取り付けられた布をもって壁にかけられた平面を「絵画」と定義する物質的な枠、作品が「見る/見られる」ものとしてある関係の枠。それらの枠は固く、私たち自身の制作や感覚にも染み込んでいる。そのうえで、枠組みはもっと柔らかくなること/することが可能なのではないだろうか。

作品と私達が一方通行の関係ではなく、互いが応答し続けることで固さは柔らかく動き、完成された後も関係や時間の中でかたちを変え続ける。

 

私達は絵や美術の枠組みを柔らかくして

風通しの良いものを作ることを目指している。