ギャラリー情報

Fluffy Society

坂本嘉明

2023年6月7日(水)〜 2023年6月11日(日)

Y・N , サム・ライト , 竹下脩三 , てりやき , GAME82

cover image

現代において、アーティストは不完全なコミュニケーションと不完全な抽象との間に横たわる柔らかさを受容する。
私たちの文化は、先史時代から始まり、コミュニケーション的文化を中心として発展してきた。そして現代では、インターネット、SNSなどのインタラクティブなメディアが生まれた。そしてSNS内部ではそれぞれの差異は新たな差異を生み出し、肯定したり否定したりしながら、それらを増幅したり、解釈を変化させたりする。実際のところ、社会もそういった差異の連続で成り立っており、健康的な文化というものは差異を差異として認めるべきものであろう。基本的に不寛容な社会では差異を差異として認めない。そして硬直化した価値観が蔓延していく。
ダダイズム以降、現代美術はそういった硬直化した価値観の広まった社会や権力構造に対して、常に揺さぶりをかけようとしてきた。それはまた同時に、意味を超えた言説、そして実践的行為でもあった。それは今現在も変わらない。またそこには同時に様々な偶然性が内在し、新たな芸術言語の創出に貢献したということはいうまでもない。
私たちが鑑賞する芸術作品と私たちが生きる社会との関係性を考える上で欠かせないことに、そういった偶然性を孕んだ抽象的な差異構造、つまり、差異を肯定する好意的な認識とその構造にとって重要なある種の偶然性がある。
そしてアーティストは今、歴史上の作品群を芸術言語として容易に参照することができるようになった。そんな世界の中でアーティストは、常に新たな役割として協働や多面的活動が求められている。アーティストは様々な要素と要素を独自に繋げたり、切断したり、遊んだりしながら新たな差異構造(芸術言語)を制作する。それは新しいふわふわとした柔らかさであり、同時代へのある種の眼差しであり、終わりなき探検でもある。

 

【開催概要】
Fluffy Society
2023.6. 7(水)~6.11(日) open 12:00 close 18:00
KOGANEI ART SPOT シャトー2F
〒184-0004 東京都小金井市本町6-5-3 シャトー小金井 2F
JR中央線武蔵小金井駅南口から徒歩5分