ギャラリー情報

MOTHERS

2012年7月4日(水)〜 2012年7月22日(日)

利部志穂 , 近藤由美 , 古橋香

cover image

入場料:400円/ワークショップ1000円(ワンドリンク付き、入場料含む)/トーク1000円ワンドリンク付き、入場料含む)

オープニングパーティー
7月7日(土)19:00~
参加費:1000円(軽食+ワンドリンク付き、入場料含む)

イベント日時
◯14日(土)15:00~ 古橋香『onpu+』(おんぷたす)ワークショップ
          音符の形をした白い粘度のキャンパス=”♪”に好きなように描く、
          ♪の壁を五線譜にくっつける、他の♪と一緒に自由に動かす、の3つ
          をします。♪の風景が変わっていく様子を見てみましょう。
          ※当日参加も可。
        
◯15日(日)15:00~ 利部志穂 トーク※ゲストあり
        
◯21日(土)16:00~ 近藤由美「こどものアトリエ」ワークショップ
          いろんな色やカタチの氷で描きます。手の体温でどんどん溶けて行く氷・・・
          思うようにいかない、そこに発見とサプライズがあります。
          ※4歳〜大人まで。 要予約。
        
        
◯22日(日)19:00~ アーティストトーク 利部志穂、近藤由美、古橋香
          司会:小川希(Art Center Ongoing)
        
★ワークショップのお申し込みは info@chateau2f.com まで。
 氏名・参加日時・参加人数を添えてお申し込みください。

—— MOTHERS —— そのタイトルどおり本展は子を持つ女性作家3人の展示である。作品のモチーフや手法、コンセプトに注目しても、これといって3人に類似の問題意識は見えにくい。彼女達に共通するのは「母親であり、作家であり、女性である」というそのことだけ。
利部志穂は、紙やグラス、拾ってきた金属や花瓶など、日常で出会ったさまざまなモノを組み合わせて、日常では目にできない詩的な空間を作りだす。ぎりぎりのバランスで成り立つその空間は溢れ出た情緒でいつも満たされている。
近藤由美は、女性や子供、ケーキやアイスなどといったモチーフを油絵の具を使って描く。ピンクやオレンジなどの暖色で構成された画面からは優しさや微笑ましさと同時にどこか解決できない歪みをもった感情が滲んでいる。
古橋香の描く子供達には目がはっきりと描かれていない。感情を伝える最たるパーツがぼやけた彼らは、笑っているのか、怒っているのか、それとも泣いているのか。かすんだ目でそれでもなにかをじっと見つめている。
—— 女性、作家、母親 —— そもそもそんな言葉のカテゴリーで、一人の人間を理解することなんてできるはずもない。いろいろな女性が存在し、いろいろな作家の表現があり、いろいろな母親の形があるのだから。そんなことを承知で、母として子を育てながら自身の表現を続ける彼女達の表現にじっと目を向ければ、やはりそこになにかが浮かび上がってくる気がしてならない。それはきっと生きることと密接した、人間の感情が変化したなにか。自身の体内から別の命を生み出したものが、無意識に抱えているなにかだ。母親だから偉いとか、子育てしながらの制作を尊敬するなんてことを言いたいのではない。愛や怒りやエゴ、厳しさや優しさや冷たさ、理性と感情、こうした相容れないはずのものが同居するからこそ捉えることのできるなにか。“3.11以降”なんて表されるこんな狂った世の中だからこそ、彼女達=MOTHERSが知っているその生命と根源的に関わる秘密(なにか)を、私は少しでも垣間見てみたいのだ。
小川希(Art Center Ongoing)

本企画は、アートフル・アクション主催の企画です