<演劇を通して「ケア」を考える 連続ワークショップ>報告会
とにかく、もっとケアの話をしよう。−−−花崎 攝
ケアに関わる人々の置かれた環境の困難さが、今、さまざまなところで指摘されています。
でも、目の前のことに一生懸命なあまり、自分のことは後回しにし、自分にはケアは必要ないと思ってしまったり・・・抱え込んだ解けないモヤモヤを吐き出す機会もなく、毎日を過ごしていたり・・・という人も少なくないように思います。
そんなとき、関わる日々のなかの出来事やモヤモヤについて、少し遠くから眺めたり、他の人の話を聞いたり、話したりしてみる。
そんな機会をもつことは、実はとても大切なことなのではないでしょうか。
そのような思いから、2023年度、私たちは、「子どもと関わるあなたの”モヤモヤ”」をテーマとした<演劇を通して「ケア」を考える連続ワークショップ>を実施しました。
今回の報告会では、ワークショップの様子をお伝えするとともに、ケアする人のケアとしての表現ワークショップの可能性について考えます。
また、個人的な体験としてのケアに関わる出来事を「話してもいいかな」「話せる」と思える他者、第三者の存在と役割とは? あるいは語り合うことのできる場のあり方とは?といったことなどをめぐって、登壇者や参加者のみなさんと一緒に話し、考える機会を持ちたいと思います。
ご参加お待ちしています。
*演劇を通して「ケア」を考える連続ワークショップ について詳しくはこちら
◉概要
■開催日時:令和6年(2024年)3月9日(土)13:00〜15:00
■会場:KFまちかどホール(JR南武線谷保駅徒歩5分)(東京都国立市富士見台1-7-1-1-10)
■登壇者
登壇者:花崎攝、松村拓海 、中西美穂
進行:井尻貴子、宮下美穂(特定非営利活動法人アートフル・アクション)
■対象:テーマに関心のある方ならどなたでも
■定員:30名程度
■参加費無料(事前にお申し込みが必要です)
◉プログラム/タイムスケジュール
12:50 開場
13:00〜13:30 <演劇を通して「ケア」を考える連続ワークショップ>報告
・花崎攝さん
・松村拓海さん
13:30〜14:00 トーク「”考え”の言語化」のためのグループ実践について
・中西美穂さん
14:00〜15:00 ディスカッション
・花崎攝さん
・松村拓海さん
・中西美穂さん
◉登壇者プロフィール
●花崎攝 シアター・プラクティショナー、野口体操講師
ロンドン大学ゴールドスミス校芸術学修士。演劇を通していろいろな人が出会い、社会や自分のことについて、いつもとは違った仕方で、共に考えるようなプロジェクトを多数行っている。主な仕事に、公募で集まった人の経験を聞き合って演劇の形で表現し共有する「地域の物語」シリーズ(世田谷パブリックシアター)など。
●松村拓海 フルート奏者、作曲家
ギターやピアノ、サックスやクラリネットなども演奏するマルチプレイヤー。ソロ活動やリーダーユニット“81”の活動、テレビや映画音楽、CM音楽やラジオジングル制作、レッスンやワークショップなどの活動にも力を注いでいる。
●中西美穂 文化研究者
関西を拠点に文化芸術のフィールドワークを行う。またアートNPOや文化政策の実務経験を活かし、非営利団体等への運営アドバイスも行っている。京都精華大学美術学部卒業、大阪大学大学院文学研究科文化形態論博士後期課程修了、博士(文学)。大阪人間科学大学非常勤講師、元大阪アーツカウンシル統括責任者。
◉ワークショップを終えて 花崎 攝 Setsu Hanasaki
「子どもに関わるあなたのモヤモヤ」をテーマにワークショップを重ねて、モヤモヤの中身や原因が見えているように思える場合でも、見えていないことや隠れているものがあること。それぞれのモヤモヤは孤立していて、立場、役割、責任とか、義務感、愛着、諦念などが絡み合って、解消(解決)できるとは思えず、複雑で厄介で、同時に、とても人間的だと改めて感じた。
演劇的な方法を用いると、例えば、自分の経験や感情を取り出し、他の参加者に手伝ってもらいながらモヤモヤの諸要素をバラバラにして表現することで、距離をとって眺めてみることができる。からだで作ったそれらの要素を動かして、「もう少しこうかな?こんな感じかな?」と、自分の状態を表す表現を探り、モヤモヤを紐解いてみることができる(分析と再統合、再認識といえるかもしれない)。手伝っている他の参加者も、未知の経験を知ったり、自分との違いを感じたり、「ああ、結構わかるかも」と思ったりする。モヤモヤは、個別性が高いと同時に、同じ社会で生きていると関係しあっていたり、どこかでつながっていたりする。
ミュージシャンの松村さんとご一緒できたので、目に見えない音、音楽で、場面や感情を表現する試みもできた。抽象性が高いにもかかわらず共有可能なセッションが、場に集中力と、不思議な開放感と一体感を生み出してくれ、そのことが、とても重要だった。いわゆる意味を超える時間、簡単に価値づけできない行為が、私たちを解放してくれた。
表現を通じたモヤモヤ探検(探求)は始まったばかりだ。そもそも表現に対する敷居の高さが拭えず、ケアと表現が結び付かなかったり、表現を試みる場が贅沢品だったりする。それでも、表現することが、辛い日常に戻ることを可能にするだけでなく(というより)、ケアという今まで見えにくかった行為が、社会を支える最重要事項の一つであることを視野に入れさせ、ケアを中心の一つに置く社会に変えていくという方向性を潜ませていたい。
◉お申し込み方法
下記のいずれかの方法でお申し込みください。
1 .ウェブフォーム
https://forms.gle/Kz3LoriPhjGmWJ7s5
2.FAX
下記を記載の上、042-316-7236までお送りください。
1 お名前
2 メールアドレス
3 参加人数
4 参加にあたって何か気になること、運営事務局に伝 えておきたいことなどありましたらお書きください < 任 意 >
*お送りいただきました個人情報は、当事業の運営管理の目的にのみ利用させていただきます。
*お申し込み期限:3 /8(金)中までにお申し込みをお願いいたします。
*お申し込み先着順。定員に達しましたら締め切らせていただきます。
・プログラムは変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。
・お申込み時にお預かりした個人情報は、厳重に管理し、本事業の運営及びご案内のみ に使用いたします。
・報告会に取材が入る場合や、広報物・記録・展示等で使用する写真・動画の撮影をする場合があります。撮影について何か気になることがある場合は、お申し込み時にお伝えください。
・報告会実施中の写真・動画の撮影および録音はご遠慮ください。
・他の参加者への迷惑行為などがあった場合はご退出いただく場合があります。
◉お問い合わせ先
特定非営利活動法人アートフル・アクション
小金井市本町6-5-3シャトー小金井2F
mail@artfullaction.net FAX:042-316-7236
特定非営利活動法人アートフル・アクションについて:
企画展、イベント、講演、ライブなど、様々な アート活動を行っている団体です。市⺠、自治体、 学校、他のNPO、企業などと連携しながら、「地域におけるアート」の可能性を追求しています。本プログラムは、多摩地域を舞台に、地域の文化的、歴史的特性をふまえつつ今日的な社会課題等に向き合うため多様な人々が協働、連携するネットワークの基盤づくりを進める『多摩の未来の地勢図Cleaving Art Meeting 』の一環で実施しています。
https://cleavingartmeeting.com/
*本事業は「東京アートポイント計画」として実施しています。
東京アートポイント計画は、社会に対して新たな価値観や創造的な活動を生み出すためのさまざまな「アートポイント」をつくるために、東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京が、地域社会を担うNPOとともに展開している事業です。実験的なアートプロジェクトをとおして、個人が豊かに生きていくための関係づくりや創造的な活動が生まれる仕組みづくりに取り組んでいます。
主催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、特定非営利活動法人アートフル・アクション