#17
2021.04.20
皆で翻訳してきた冊子のページも残り少ない。ただ、そこで終わりではない。まだまだ道のりは長い。
今日印象に残った一つ目の話は、’Site’という言葉について。冊子の中にこんな一文が出てきた。
” I made a whole walnut furniture set, buying the material from five different sites.” (p78)
これはウェブサイトという意味でのsiteなのか、それとも、場所や敷地、地点をあらわすsiteなのか。
もし前者だとして、今ほどインターネットが普及していない1994年〜1996年、包囲戦下のサラエボで、ウェブサイトで木材を購入することは可能だったのだろうか。
もし後者だとして、あの状況下で、木材を入手できる場所がサラエボの中に点在していて、その情報を市民たちがシェアしていたのだとしたら。とても考えさせられる。
-場所場所に色々な人が色々なものを集めてたり、色々な情報がローカルに集中していたり。それって生き延びるための財産だよね。
-このような「人々にとっての’site’」っていうものは、意外と存在しないですよね。
今日印象に残った二つ目の話。包囲戦中(おそらく)、プラトンとヘーゲルの本がベストセラーだったという話。
”probably everyone wanted to read difficult things to forget about the war and their own difficulties. Plato and Hegel were bestsellers.” (p81)
例えば第二次世界大戦中の日本や東京でのベストセラーはなんだったのだろう、と気になった。
今は『鬼滅の刃』がダントツで売れていて、その次によく出るのが『あつまれどうぶつの森』だと、書店で働く友人は言っていたが。
想像や思い出、知識、さまざまな背景、時代が錯綜しながら、『翻訳』は進んでいる。