2020-07-16

翻訳プロジェクトの参加者を募集します。

翻訳プロジェクトを始めます。

詩人であり翻訳家である山崎佳代子さんは著書、『ベオグラード日誌』でいいます。
「翻訳とは、世界を渡る事。小さな言葉ひとつひとつに心を捧げ続けること。言葉によって人と人とをむすびあわせること。」

翻訳とは、文章を他の言語に訳すという行為以上に、一つの世界からもう一つの世界へ思考をのばし、網をはる事。異なる文化をつなぐ営み。その文章が書かれた時代背景や歴史的背景、書いた人の意図、思惑、状況、そういったものを考察し、学びながら、自分自身の状況や生活にも反映させ、自分のことをも知っていく事なのではないかと考えます。

私たちは今回、1992年〜1996年の間に起こったサラエボ包囲戦の最中に、インディペンデント・プロデューサーグループFAMAによって作られた『サラエボ旅行案内 史上初の戦場都市ガイド』をさらに発展させまとめられた、 ’Ahead Of Fear – The Art Of Survival’ (ボスニア語/クロアチア語/セルビア語/英語)の日本語訳を試みます。参加者と共にバルカン半島の歴史を学びつつ、数回に分けてこの冊子の翻訳を行い、最終的には配布できる形にまとめていきます。

当時、サラエボの人々は絶望的な状況の中、それでも生活を営んでいました。懐中電灯を片手に闇の中を映画館へ走りました。弾丸の飛び交う中、美術鑑賞へ出かけました。クリスマスには必ず教会を飾りつけ、祝う事を欠かしませんでした。いつ行われるかわからないマラソン大会のために、スナイパーの目を盗みながら日課のランニングを続けました。
人々は厳しい状況下を生き延びるために、ユーモアと創造性を持ってこの状況に順応していく術を見い出していきました。『サラエボ旅行案内』、そして ’Ahead of fear, the art of survival ’ は、そういった人々から学ぶ生きる術、そして知恵が記されたサバイバルのための冊子です。

世界中の重層的に関係し合う様々な問題が顕在化し、明確な答えや解決の見えない状況の続く今、この冊子を読み解き、苦しい状況をどのようなユーモアと創造性で乗り越えていくかをける可能性があるのか学び、模索しつつ、私たちがおかれているこの状況、そして私たち自身を冷静に見る目を養います。冊子の中に書かれた言葉、それが持つ背景や伝えようとしている事をめぐる対話を重ね、遠いようで実はすぐそこにある世界について思いを巡らす事が、思いもよらない拠り所や自身との接点を見つけるきっかけになるかもしれません。

このプログラムは、読むことを通して他の文化を学びながら、自分の事も学んでいこう、という試みです。これを機に語学をやってみたいと考えている方、語学に不安がある方、翻訳に限らず内容、この冊子やバルカン半島の歴史などに興味がある方も是非ご参加ください。試行錯誤しながら一緒に他文化を学んでいきましょう。

本プロジェクトは当分の間ZoomとGoogle document を用いながら進めていきます。
第一回目は冊子 ’Ahead of fear, the art of survival ’ のイントロダクションの翻訳、そしてこのプロジェクトの進め方についての説明を行います。

まずはお気軽に、下記お問い合わせ先までご連絡ください。ご質問なども歓迎します。
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引用文献:
『ベオグラード日誌(山崎佳代子 2014年3月発行 書肆山田) 』
『サラエボ旅行案内 史上初の戦場都市ガイド (FAMA 1994年11月発行 三修社)』

《活動期間》
初回:8月21日 19:00〜20:30(以降1ヶ月に2回ペース)
※初回に次回以降の日程について参加者の方々と相談させていただきます。

《活動内容》
’A head of fear, The art of survival ‘ をZoomとgoogle documentを用いながら数回に分けて
翻訳していきます。短文を集めた絵の多い冊子なので、言語に不安がある方・初心者の方でも参加しやすいかと思います。
翻訳を進める過程ではバルカン半島の歴史や文化を研究している方々、詩人やアーティストをゲストに招き、お話を伺い、対話を重ねていく機会を設けます。
※本冊子の翻訳はFAMAの了承のもと、行われます。

《翻訳する冊子》
’A head of fear, The art of survival ‘
この冊子のダウンロード先▶︎
https://www.dropbox.com/sh/4g36fmg4avtwbr0/AAD0czdcJY3WmqJT90QmKdaga?dl=0
FAMAのHP▶︎
https://aheadoffear.com/en/

《応募方法》
①氏名、②連絡先(電話番号とメール)
を、下記のEメール、FAX、郵送のいずれかによりお申込みください。
※応募締め切り▶︎8月9日

《定員》
5名程度
※応募者多数の場合は早めに受付を締め切らせていただきます。 お問合せの時点で募集が終了している場合もありますので、御了承願います。

《お問い合わせ先》
NPO法人アートフル・アクション 担当:森山/宮下
〒184-0004 本町6-5-3 シャトー小金井2F
FAX ▶︎ 050-3627-9531
E-mail▶︎ mail@artfullaction.net
HP▶︎ https://artfullaction.net/

※本プログラムは変更になる場合があります。あらかじめご了承ください。