異なる手法でサイトスペシフィックな作家性を持つ2人による、ペインティング・パフォーマンス・インスタレーションの展示。
井上晴日と島崎真実は、身体という物質や、記憶という不確かな感覚や、 それにまつわる様々な不可思議を、生活を共通項として理解したいと思い 作品を制作しています。
以下は、ヒントとなりうるテキストです。
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わたしたちは、ひとつの身体を持っています わたしたちは、それを使って遊びます 飯を食います
働きます 何かを生み出したり、破壊したりします
身体の中には、おそらく記憶があります
わたしたちの存在は、内側にある記憶が決めるのか それとも、外側が身体の輪郭を認識するからそのように思えるのか はたしてわかりません
わたしたちは、移動します 移動したあとは、その痕跡と記憶のみが残されまその痕跡も、記憶も、いつかはなくなります
わたしたち(わたしや、あなたや、あるいはその他の人々)は、作品をつくります あるのかもしれない存在と、残っているのかもしれない痕跡が、ひとつの場所に 確かに存在することを願います
そのために作品をつくります
不在と実在の幽霊のような瞬きを、確かめたいと願います わたしたちは、そのために作品をつくります
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井上と島崎の作品をひとつのスペースに設置し、その二者の感覚の重なりか ら何が浮かび上がるのか、この度の展示が私たちの存在についてのひとつの 探求の場となることを目指します。
プロフィール
井上晴日
1993年福岡県産まれ。2016年武蔵野美術大学油 絵学科卒業。異なる時間軸が作品を介して同じ空 間に存在することをテーマに、平面、インスタレー ションを中心に作品発表を行っている。
Instagram https://www.instagram.com/haruhi.inoue/
Twitter https://twitter.com/yogoinuchan/
島崎真実
1993年東京都生まれ。2016年武蔵野美術大学 油絵学科卒業。パフォーマンスアーティスト。ま ず場がある。物を置く。物と物があり、物と物と 場が出来る。それらの関係を結ぶため、身体を 使ってパフォーマンスする。身体を媒介にして、 身体に繋がる無意識の中を移動しながら、物と 物と場とがある形に至るまでパフォーマンスを行 い、その行為を作品とする。パフォーマンスを終 えた空間は新たな場となり、それもまた作品となる。