ギャラリー情報

Don’t  Take  Me  to  the  Moon

2017年9月6日(水)〜 2017年9月10日(日)

Natsumi GOLDFISH

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2017年9月6日より、 個展「Don’t Take Me to the Moon」を開催いたします。

Natsumi Goldfish が2012年以来今年日本に帰国制作した、平面と立体の作品を展示致します。
愛という事象、愛するという精神・物理的行為、そしてその愛を育てる媒体について問うことは未だ社会的、道徳的にはタブーなのかもしれない。なぜならそれは人の生に触れるから。
宇宙に浮かぶ月はまるで天国のようで、それは歴史のところどころに喩えや象徴として登場し、私だけの幻想や幻覚ではないだろう。愛は人の心や体を天国へ連れて行くけれど、人は実際の天国へ生きて行くことはできない。何者かを愛するという行為は、生の特権で、可能性で、自由で、課題で、そして問いである。「愛とは、人類世界に於ける、物質の相互補完作用によって生ずる事象」と定義する匿名の投稿を読んだことだある。愛は人間という有機体を媒体に、その体内に体と心を栄養に育つ。天国へ逝った者は、今生きている人々に愛され続けることはできても、自身は今何者かを愛するという行為を行うことはもう不可能なのかもしれない。私は、時折月に行きたくて仕方がない。それは月がとても美しいから、そしてそこにはここと違って、ある人がいるかもしれないしいないかもしれない、と感じることができるから。でも、今こんな風に述べた定義が正しければ、私は月で、今のように何者をも「愛する」ことはできないのだ。
天国、地獄、現実、この世、あの世、夢の中。ここ、あそこ、となり、彼方、向こう、隣、遠く、近く。血族、家族、恋人、友人、幼なじみ、宗教、他人。人と人には、無数の距離感や深さや関係性があり、そして愛は様々な部分に存在する。私達の中に育つ愛とその対象との物理的、精神的距離にはどのような関係性や影響があるのだろう。命は生まれ、育ち、いずれ死にゆくけれど、また同じ身体に生まれることはできない。でも私達は愛するとき、その者の身体もどうしようもなく愛している。誰かを愛した時、人は何を一番に望むのか。
www.natsumigoldfish.com

Natsumi GOLDFISH
東京出身の現代作家、画家。2011年に渡米、現在はニューヨークを拠点に制作を行っている。油絵とドローイングを主に、彫刻、執筆、レコーディング、インスタレーション、パフォーミングアート等を取り入れた作品に取り組む。