2023-07-11

【参加者募集】
連続ワークショップ「多摩の未来の地勢図をともに描く2023 − re.* 生きることの表現」


多摩の未来の地勢図をともに描く2023 − re.* 生きることの表現

一見、遠く離れた、自分とは無縁に思える出来事を、自身の生きる場や日常とどのように結びつけることができるのか。急速に変化し続ける流動の時代、抗えない流れの中で、自分の時間を取り戻し、自分なりのささやかな方法で流れに抗ってみることが大切なのではないでしょうか。今の状況を、社会そのものを、より考え、そこで生きていく/抗っていく術を皆で模索してみませんか。

今回の「多摩の未来の地勢図を共に描く」連続ワークショップでは、様々な出来事や時間をretrace/再訪しながら、開発、発展、災害、暴力、困難、搾取、格差、これらの言葉の中に要約されてしまう幾多もの出来事、消えていく風土とその中で生きる人々の営み、様々な土地で起こっているこれらの出来事に通底する​ものやことについて、より深く、丁寧に考え、そこでの気づきや問いを自身の生きる場とつなげていくこと、そして改めて私たちが立つ東京という土地について考えることを試みます。

<re.* 生きることの表現について>
英単語の頭につく「re」という接頭辞は、「再び、元に、後ろに、繰り返し」などを意味する単語を生みます。今回は、この「re」が冒頭につく3つの英単語<retrace/再訪する, resist/作業する, record/記録する> をキーワードとしながら、生きていく/抗っていく術、すなわち<生きることの表現>について考えます。

生きることは、絶え間ない連続の中にあります。日々が続くことであり、常に何かの再訪であり、抗うことであり、この「re」の運動性が深く関わっています。福島県天栄村では、古くなった着物をほどいてまたつくりなおすことを「ぼろくすぐり」といいます。古い着物をほどいて修繕する、また着られるようにする修繕の過程で、様々な時代や背景を持つ糸や人による手が加わります。今回のワークショップでは、人間だけではない自分以外の全ての他者との出会いや、語られる言葉が、日々の連続の中にあるということを意識しながら、自身の日常とそれらの経験から生まれる問いをほぐすこと、何かの手を借りて綴り合わせ更新することを、それこそ「ぼろくすぐり」のように繰り返し、進めていきます。

<ワークショップの内容>
本年度は、ゲストを招いたワーク・レクチャーの実施の他、小金井アートスポットシャトー2Fの一角を「作業場」として、ワークショップゲストや参加者と共にその場を作りながら、皆が自主的に作業できる場所として定期的に開きます。プログラムの最後には、連続ワークショップを通して参加者が考え、試みたことを他者と伝えあう機会を設けます。

◉ワークショップの構成

今回のワークショップは<retrace/再訪する, resist/作業する, record/記録する> をキーワードとした「3つのre」の流れと、アーティストの曽我英子さん、ピョトル・ブヤクさんと共に参加者自身の問いと試みを深める「生きることの表現を拡張する」の流れを行き来しながら進んでいきます。(下記図のPDF

◼︎retrace/再訪する

retraceとは、なぞる、他者の行程をたどる、追想する、再訪する、といった意味をもちます。自分自身が誰か/何かを訪ねるだけではなく、他者の中に存在した土地や時間を訪ねてみることや、訪ねていった人をトレースする行為も再訪を意味します。
<retrace/再訪する>では「多摩の未来の地勢図を共に描くー連続ワークショップ」2021年度のゲストの豊田有希さんを再びお招きします。豊田さんは九州南部豪雨で水損した地域のネガフィルムのレスキューするREBORNプロジェクトなども主催し、その地で暮らした人々の記憶や記録に写真を通して光を当てる活動も行っています。ゲストとともに再訪しつつ問い続ける過程について考え、そこから得た気づきをヒントに、参加者それぞれが自身の方法を用いて、それぞれの考える場所や時間、人を再訪することを試みます。

ゲスト/日程:
・ 豊田有希(写真家、2021年度ゲスト)

2023年12月8日(金)19:00~21:00

 

◼︎resist/作業する

「resist 」という単語は、本来「抵抗」と訳されます。抵抗の形は様々で、声をあげる、デモや活動を行うといった行為などの他に、この不条理な世の中で日々を生きるための作業を淡々とこなしていくことや、この世界で流されず自分の時間を持ち、日常を送ることも、抵抗につながる営みであるとこのワークショップでは考えます。今回のワークショップでは、「作業する」という行為を一つの抵抗の形ととらえ、「作業をする場」を小金井アートスポットシャトー2Fの一角に設け、様々な技術や行為の背景を考えながら、皆でresist/作業を行います。

ゲスト/日程:
・「彫ってみる/刷ってみる」A3BC(反戦・反核・版画コレクティブ)

2023年10月14日(土)13:00~17:00
・「作曲をしてみる」揚妻博之(アーティスト)
2023年10月28日(土)13:00~17:00
・「ぼろくすぐり」
2024年2月(「ワークショップの気づきを他者と伝えあう期間」中を予定)

 

◼︎ record/記録する

今の状況について考え、理解するには、過去に流れている時を振り返ることが必要です。記録をとる行為は、人間を人間たらしめる行為の一つであり、同時にreflection/内省を促します。ゲストを交えて記録の行為とその方法について考えながら、参加者自身が記録を通して他者と接続する方法を模索し、思考/試行し、その過程を記録として取りまとめます。

ゲスト/日程:
・高森順子(阪神大震災を記録しつづける会 事務局長)

2023年9月3日(日) 13:00~16:00
・須之内元洋(札幌市立大学 講師)
2024年1月20日(土)13:00~16:00

 

◼︎生きることの表現を拡張する

アーティストの曽我英子さん、ピョトル・ブヤクさんを招き、彼らの創造する行為と間近に出会うことを通して、参加者がそれぞれの問いを見つけ、問いに対する取り組みについて、認識や方法を拡張していくヒントとなるワークを行います。

ゲスト/日程:
・曽我英子(アーティスト)

4回のワークを通して、人や物事との出会いを通して、気づきや関心の生まれ出る過程について、そして創造的な活動が、既成概念や学問にとらわれずに、どのように人の気づきを共有し、世界への認識を更新する可能性があるのか、考えていきます。*曽我さんは滞在先イギリスからのオンライン参加になります。

①2023年8月5日(土)18:00~21:00
②2023年8月26日(土)18:00~21:00
③2023年9月23日(土)18:00~21:00
④2023年11月4日(土)18:00~21:00

・ピョトル・ブヤク(アーティスト)
世の中の様々な問題とどのように対峙し、咀嚼し、創造的な活動を通して日々の中の抵抗を行うことが可能なのか。参加者とのワーク、小金井アートスポットシャトー2Fでの滞在制作を通して、参加者と共にその方途について考えていきます。

①小金井アートスポットシャトー2Fでの滞在制作
2023年10月末〜12月はじめ
②「re.* DIY(日常)と抵抗についてのワークショップ」
2023年11月18日(土)13:00~17:00
2023年12月2日(土)13:00~17:00

※各プログラムの内容・日時・場所は変更になる場合があります。その場合は事前に参加者へご連絡します。

 

◉ゲストプロフィール(順不同)

曽我英子
東京都生まれ。イギリス在住。ロンドン大学スレードスクール、オックスフォード大学ラスキンスクールオブアートにて博士課程を修了。現在、キングストン大学とロンドン大学で講師をしている。フィールドワークから得た知識や、出会う人々との記憶を辿りながら制作を行い、それらを、映像、テキスト、インスタレーション作品として発表している。アートの視点から、どの様に地球環境と共に社会環境の事を考えることが可能であるかを探求しながら活動を続ける。

ピョトル・ブヤク|Piotr Bujak
1982年生まれ。東京とクラクフ在住。映像、インスタレーション、立体、テキストなど多様な技法を用いて制作を行う。アクティビストでもある。ヤン・マテイコ美術アカデミー(クラクフ、ポーランド)とサンフランシスコ・アート・インスティチュート卒業。対抗的パンク文化、ミニマリズム、コンセプチュアリズム、ネオ・アヴァンギャルド、批評的言説に関心をもつ。「低予算、素早く雑に、DIYで、打って走る(Low Budget, Quick and Dirty, Do It Yourself and Hit and Run)」を戦略としつつ、新自由主義の病理、暴力、同一性、文化や政治領域と関連する作品を制作している。https://culture.pl/en/artist/piotr-bujak

高森順子
1984年兵庫県神戸市生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科単位修得満期退学。博士(人間科学)。災害体験の記録や表現をテーマに研究している。2010年より「阪神大震災を記録しつづける会」事務局長。愛知淑徳大学助教などを経て、現在、情報科学芸術大学院大学[IAMAS]研究員。近著に『10年目の手記—震災体験を書く、よむ、編みなおす』(共著、生きのびるブックス、2022年)。今年3月に『震災後のエスノグラフィ —「阪神大震災を記録しつづける会」のアクションリサーチ』(明石書店、2023年)を出版。

揚妻博之
1978年 山形県生まれ。2011年 東京芸術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。2011‒13 年 ドイツ・シュトゥットガルト美術大学在籍。2022年 ドイツ・ベルリンより帰国し、山形に在住。実存的な美学と同時性や異なる時間レベルでの物事の一致に関心を寄せている。主な展覧会として、個展 2022 年「ハート」スプラウト・キュレーション (東京)、 2019年「10日前 の砂」シャトー小金井ビルBF (東京) 、2018年「子午線」BUoY (東京)、グ ループ展 2017 年「Global Forest 2017」ザンクト・ゲオルゲン (ドイツ)、2016年「Temporäre Kunsthalle Neukölln」Parkdeck 5 in Neukölln Arcarden (ドイツ)、2015年「Letschebach Istanbul Project」 イスタンブール (トルコ) など。

豊田有希
1987年生まれ。 熊本県熊本市出身。2015年より水俣市在住。高校時代から独学で写真を始め、 2012年から本格的な活動を開始。 その土地の風土や暮らしを見て得るだけではなく感触として得ていきたいと考え、現在は住んでいる地域の周辺を主なフィールドとして撮影を行なっている。 潜在化する人権や差別など社会問題を根底にもちつつ 土地や人物の在り方を同時に表現することを目指している。 主な作品に、山間集落の暮らしと水俣病の痕跡を辿った「あめつちのことづて」(2016-)、 2020年7月九州南部豪雨で水損した地域のネガフィルムのレスキュー作業にあたったREBORNプロジェクトを立ち上げる。

須之内元洋
札幌市立大学講師。ソニー株式会社、サイボウズ・ラボ株式会社勤務を経て、2007年より札幌市立大学デザイン学部へ。メディア環境学、アーカイブ情報学、情報科学分野の研究・教育に取り組む。並行して、2005年にデザインファーム「assistant」を共同設立し、現代美術家や建築家の仲間とともにメディアデザインの実践を行う。

A3BC|反戦・反核・版画コレクティブ
東南アジアのアート・コレクティヴに刺激を受け、反戦、反核をテーマに木版画を集団制作し、アート・アクティヴィズムを実践するアート・コレクティヴとして2014年に設立。インフォショップ「イレギュラー・リズム・アサイラム」を拠点に毎週活動している。社会運動の現場で役立つポスターやバナーの制作、展覧会への参加、市民が自由に参加できるワークショップ、パフォーマンスやコラボレーションなど、木版画をメディアにさまざまなつながりを形成している。また近年は東アジア、東南アジア圏のアート・コレクティヴ等とのネットワークと活発に交流している。

 

◉概要

◼︎期間:2023年8月~2024年3月
◼︎ワークショップの気づきを他者と伝えあう期間:2024年2月6日〜2024年3月3日(シャトー2Fギャラリーを予定)
◼︎会場:小金井アートスポット シャトー2F(東京都小金井市本町6-5-3 シャトー小金井 2F)、東京学芸大こども未来研究所 Codolabo studio(東京都小金井市本町6-5-3シャトー小金井#109) *遠方からの参加や、現地参加が難しい場合はご相談ください。
◼︎定員:15名(性別、年齢、経験は問いません。)
◼︎参加費:無料(交通費、フィールドワークやリサーチ、制作にかかる費用等は参加者負担となります。)

 

◉申し込みについて

次のいずれかの方法でお申し込みください。

①ウェブフォームよりお申し込み
②FAXよりお申し込み
次の(1)~(6)の内容をお知らせください。
(1)お名前
(2)メールアドレス
(3)電話番号
(4)ご住所
(5)生年月日
(6)応募動機

FAX送信先:050-3627-9531

*ワークショップの保険加入のため、ご住所、生年月日、お電話番号をお聞きしております。

◼︎申込締切
2023年​7月31日(月)必着

※お申し込みが定員を上回り次第、締め切らせていただきます。
※個人情報は厳重に管理し、本事業の運営及びご案内のみに使用いたします。

◼︎公式HP(昨年までのプログラム詳細もこちらから)
https://cleavingartmeeting.com

 

◉お問い合わせ

特定非営利活動法人アートフル・アクション
〒184-0004 東京都小金井市本町6-5-3 シャトー小金井2F
FAX:042-316-7236
E-mail:mail@artfullaction.net

*本事業は「東京アートポイント計画」として実施しています。東京アートポイント計画は、社会に対して新たな価値観や創造的な活動を生み出すためのさまざまな「アートポイント」をつくるために、東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京が、地域社会を担うNPOとともに展開している事業です。実験的なアートプロジェクトをとおして、個人が豊かに生きていくための関係づくりや創造的な活動が生まれる仕組みづくりに取り組んでいます。https://www.artscouncil-tokyo.jp